近年のジェネリック医薬品使用率の増加を受け、生産量が拡大していることや、
医薬品製造販売業に要求される品質水準が上昇していること、及び FDA査察対応への注力のため、
当社では品質保証業務担当者の増員を通じ、品質保証体制強化を図っております。
専用棟を設けることで増員に対応し、また、併せて業務効率化を図ります。
本品質保証棟の特徴
本品質保証棟は、査察における要求事項に迅速に対応するため、査察ルームの隣に書庫を配置しており、効率的な対応が可能となります。
建屋内各所にはIDカードによる入室管理と監視カメラを活用したセキュリティ設備を備え、また、書庫には、書類持ち出し管理システムを導入しており、製造記録や試験記録などの紙のファイルの持ち出しを管理致します。これらのセキュリティレベル向上により、これまで以上に、情報漏洩防止やデータ改ざん防止等の高度な管理が可能となります。
参考品(※1)室においては、無停電電源装置を導入し、停電時においても冷凍・冷蔵設備への給電を可能とすることで、参考品サンプルの品質保持が可能となっています。
本品質保証棟は、壁面緑化、及び太陽光発電の活用により、エネルギー消費量が通常のビルに比べて大幅に削減されており、省エネルギービルの基準である「Nearly ZEB(※2)」の認証を取得しております。
<品質保証棟の概要>
所在地 | 富山市八日町326番地(本社工場敷地内) |
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投資額 | 総額約3.5億円 |
建物概要 | 鉄骨造3階建て 建築面積 約464m² 延べ面積 約1,277m² |
用途 | 品質保証に関わる執務業務、文書・参考品の保管 |
着工 | 2021年4月1日 |
竣工 | 2021年11月30日 |
(※1) 「参考品」とは市場への出荷後の不具合等、将来品質を評価する可能性に備えるための分析試験用サンプルを指します。
(※2) 「ZEB」とはNet Zero Energy Buildingの略であり、経済産業省の定義によれば、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物を指します。Nearly ZEBはZEBに近い建築物であり、エネルギー消費量が従来の建物比で25%未満であることが要件となっています。
信頼性保証本部の人員
2023年7月現在、205名の人員が信頼性保証本部に在籍しています。このうち、主に品質保証部員、薬事室に在籍する約60名が、本棟にて勤務しております。