高薬理製剤部門
高薬理活性製剤の製造は高薬理活性物質の封じ込めを行いながらの作業となります。
製造
グローブボックスによる秤量
秤量工程は高薬理活性物質の封じ込めのためグローブボックスを使用します。原料専用投入口から原料を入れ、グローブボックス内で原料を量ります。
秤量物のIBC(※)への格納
量り取った原料はグローブボックスの下に取り付けたIBC(中間バルクコンテナ)に直接入れます。
以降、このIBCを単に「コンテナ」と呼びます。
※ IBC : Intermediate Bulk Containers (中間バルクコンテナ)
コンテナリフト
原料を入れたコンテナを造粒機上部の原料投入口に取り付けるため、コンテナリフトで上部へ運搬します。
コンテナの造粒機への取り付け
原料を入れたコンテナを造粒機に取り付けます。原料はコンテナから直接造粒機内へ投入されるため、高薬理活性物質の飛散もなく、作業者の安全が確保されています。
流動層造粒乾燥機
設備は自動制御されており、製造条件を設定し、自動運転で製造を行います。
コンテナ運搬、造粒物取り出し
出来上がった造粒物をコンテナに入れ、次の工程の作業室へ移動させます。
フィルムコーティング
打錠後の錠剤にフィルムコーティングを行います。設備は自動制御されており、製造条件を設定し、自動運転で製造を行います。
環境への流出対策
高性能フィルターを備えた吸排気設備を使用し、高薬理活性物質の外部への流出を防ぎます。高薬理製剤棟から出る高薬理活性物質を含む廃水は専用のタンクに集められた後、専門業者によって回収され、焼却処分されます。
建屋外観
第七製剤棟
2014年12月に竣工した、中規模スケール(15~30kg/Lot)の高薬理製剤を製造する製剤棟です。
第八製剤棟
2018年11月に竣工した、大規模スケール(50~100kg/Lot)の高薬理製剤を製造する製剤棟です。竣工時の生産ラインは1ラインのみでしたが、2020年12月に2ライン目が竣工し、生産能力が倍増しました。
品質管理
秤量用グローブボックス
高薬理活性物質類(原薬)の試験検体のサンプリングは、化学防護服を着用し、グローブボックスにて秤量作業を行います。
粉体封じ込め用エンクロージャー
品質試験において、高薬理活性物質類を飛散しやすい粉体で取り扱う場合は、粉体封じ込め用エンクロージャー(写真)を使用します。
粉体封じ込め用エンクロージャーの外から内側に空気が流れるため、粉体が外に漏れない設計となっています。
吸引された高薬理活性物質類は回収され、所定の手順で廃棄・焼却処分されます。
高薬理活性物質類(製剤)の溶出試験
高薬理活性物質類(製剤)の溶出試験を行っている様子です。
高薬理活性物質類(製剤)が液に溶解した後は、その飛散リスクが低いため、簡易防護服での作業が可能です。
高薬理活性物質類の微生物試験
高薬理活性物質類(原薬・製剤)に含まれる細菌や真菌などの有無や、その種類と数を測定する試験です。
作業員を高薬理活性物質類から保護するために、化学防護服を着用して試験を実施します。
建屋
高薬理R&Dセンター
2017年に新設された、高薬理活性物質類の研究・開発、試験を行うための施設です。
1階と3階は試験室、2階は原薬の実験室、および製剤の試作・小スケールの製造室です。
2階は治験薬製造(製剤)にも対応しています。