事業活動を通じて社会に貢献することで、皆さまから選ばれる企業であり続けます。

はじめに

当社は、人々の健やかな生活と成長を目指して高品質な医薬品の安定供給に日々取組んでおります。供給が途絶えることで患者さんの生命に関わる製品の製造にも携わっており、パンデミック下であっても安定供給の維持を使命として、早期からの感染拡大予防対策に努めて参りました。国内工場のほか、中国のグループ会社でも原薬並びに製剤の日本向け受託製造を行っているため、往来や物流の自粛・制限による中間体や最終製品の生産活動への影響が懸念されましたが、幸い、グループ会社内での感染拡大は見られず、生産活動を継続することができました。昨年来安定供給を維持して来られたのも、ステークホルダーの皆さま並びにグループ全社員のご理解とご協力があってこそと重ねて感謝を申し上げます。今後も、社内外への感染の拡大を防止し、お客様、サプライチェーン、社員及びそのご家族の安全と健康に最大限配慮しながら、高品質な医薬品の安定供給を継続してまいります。

企業価値向上の取組み ~中期経営計画の進捗状況~

わたくしは2012年に社長に就任し来期2022年度は10年目となります。
また、会社としても80期を迎える節目の年となります。この間業績は順調に推移し、中期経営計画2023の初年度である2021年5月期決算は、市場の追い風とともに、増強した第八製剤棟やグループ会社の順調な稼働を受けて12期連続で増収・増益となり過去最高を達成しました。
2021年5月期売上高は487億円で2020年5月期実績から8.3%、親会社に帰属する当期純利益も減益予想から一転して42億円で2020年5月期実績から7.6%上回りました。当社は、早くから高薬理活性製剤の供給体制を整え、顧客ニーズに合った新規開発品が適時に供給できたことで、予想を上回る需要に応えることができました。また、中国での原薬・製剤の製造体制を拡充し内製化に取組んだことで、生産効率を高め、生産コストを削減することができました。これら中期経営計画の実践が増収・増益に大きく寄与したと分析しています。

2021年5月期の事業環境変化

2021年5月期は、当社にとって、次の3つの観点で大きな転換期となりました。
第一に、政府の強いジェネリック(以下「GE」)使用促進策の終了です。2007年より形を変えつつ継続されてきた政府のGE使用促進策により、2021年1月から3月期のGE使用率は80.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、過去5年間に亘って目標値とされていた80%を達成しました。これを受けて、今後のGE市場は飽和状態となることが予想され、これまで以上に品質競争が強まるものと考えています。
第二に、毎年の薬価改定の開始です。当社は薬価改定の影響を少なからず受け、薬価改定への対応として価格引き下げのために、あらゆる側面においてこれまで以上の努力が必要となることは間違いありません。
第三に、GE業界で発生した品質問題です。異種原料混入や供給停止、自主回収など相次ぐGE業界での不適正事案の発生は、患者さんのGEに対する信頼を大きく揺るがすものであり業界全体の売上にも影響するものと考えられます。
当社は、これまで、GE業界に吹く追い風とともに、継続的な成長を遂げてきました。しかしこれからは逆風を覚悟してしかるべき時代に突入したと言えます。そのため当社は、追い風に頼らなくとも向かい風に逆らって進むことができる、強い体質となるべく改革を進めてまいります。

経営課題と今後の成長戦略

2021年度の大きな課題は、コンプライアンス・ガバナンスの体制を強化し、さらに高い品質管理レベルを目指すことです。まず、今年8月にもその一部が施行された改正薬機法*注を厳格に遵守することが求められます。2021年11月に完成した新品質保証棟を活用し、会社の品質保証、品質管理、申請業務のレベルアップを図り、常に品質最優先を念頭に置いて業務を遂行していきます。
2020年より本格化したCSR活動では、SDGsやSRI(社会的責任投資)関連の評価項目などを参考に、当社の事業戦略の遂行に重大な影響を及ぼす可能性のあるCSRに関するリスク・機会の発生可能性並びに影響の大きさを評価し、当社グループが取組むべき重要なCSR課題(CSRマテリアリティ)を取締役会で承認のうえ特定しました。
ステークホルダーから企業への期待は日々高まっており持続可能性に配慮した共通価値の創造が強く求められています。CSRマテリアリティに真摯に取組み、活動計画やKPIを達成することが、当社の持続可能な成長に必要不可欠であり、社会的責任を果たすことと理解します。CSR活動についても、引き続きわたくしが先頭に立ち、全社を挙げて注力していきます。
当社が大きな転換期にあることに鑑み、2020年には「新規プロジェクト」を発足させました。いずれも、中期経営計画に記載の「新技術・新領域への挑戦」を踏まえた、「100年企業を目指して将来の種をまく」活動です。そのほか、米国での事業展開の本格化、中国子会社の稼働率アップなど、将来の課題の解決に向けた活動にも着手しました。GE使用率80%超を迎え市場飽和が想定される今後は中期経営計画の「経営戦略の柱」に掲げた高薬理活性製剤の製販体制強化、原薬生産体制の最適化、新技術・新領域並びに人材育成へ資本を重点的に配分し、中期経営計画の達成を目指します。

おわりに ~ステークホルダーの皆さまへ向けて~

当社は、社員、お取引先、株主、地域社会といった様々なステークホルダーの皆さまに支えていただき事業活動を行っています。社員一人ひとりが創造力と闘志をもって誠実に仕事に取組み、お取引先、患者さんへ確実な製品を供給し社会に貢献することで「楽しい会社、楽しい仕事」を実感できる働きやすい職場を作り、その結果として皆さまから選ばれる企業であり続けるよう、全社一丸となって精励します。
引き続き皆さまのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

*注 改正薬機法:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)」

(改正薬機法の概要)

  1. 医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度が改善されました。
  2. 住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局のあり方が見直しされました。
  3. 信頼確保のため許可等業者に対する法令遵守体制の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)の義務付けがされました。